民事上の責任とは損害賠償責任ということになりますが、損害賠償とは被害者から加害者に対してなされる損害に関する金銭的な保証ということです。加害者の側からすると被害者に対して行う責任ですが、被害者からすると加害者にたいして行うことができる権利となります。
一言に損害賠償といってもその内容は様々であり、また複雑です。ただし、現在の損害賠償の額はとても大きくなっており、何千万円や億を超える賠償額となることもありますので、自賠責保険はもちろん、任意保険に入っておくことすら必須といえるでしょう。
民事上の責任の内容は最終的に金銭のやり取りで解決されます。この金銭は加害者が被害者に支払うこととなります。そのため民事上の責任の重さは、最終的に「いくら」と額が決められることになりますが、その額は様々な内容のお金の合計です。そのため、民事上の責任の内容としてどのような内容での金銭(責任)が発生するのかを知っておかなければなりません。
<民事上の責任の内容>
◆治療費、入院費など
被害者が怪我などをしていた場合、その治療が必要となります。交通事故の加害者は、被害者が必要となった治療費や入院、通院費などを負担しなければなりません。また、入院や通院に関する雑費も加害者が負担しなければなりません。
◆葬儀費用
もし交通事故の被害者が亡くなってしまった場合は、加害者は被害者の葬儀費用を負担しなけらばなりません。被害者側としては加害者に負担してもらうことができる額がある程度で上限があることに注意が必要です。
◆休業損害
交通事故の被害者が事故による影響で仕事ができない期間が発生した場合、その休業による損失を加害者が補わなければなければなりません。この休業による損害がいくらになるかは被害者の職業や収入によって変わってきます。
◆逸失利益
逸失利益とは、被害者が死亡したり、事故により後遺症などが残る怪我をしてしまった場合、もし交通事故が起こらなかった場合の被害者の生涯の収入と比較し、事故が起こってしまったことによる生涯の収入の差額分を、加害者が補うものです。
もし被害者が亡くなってしまえば、事故から寿命を終えるまでの収入分を補う必要がありますし、被害者が後遺症が残る怪我をしてしまえが、それによる生涯の減収を計算し、それを金銭で補います。
◆慰謝料
慰謝料は被害者の精神的な損害について、加害者が金銭で賠償を行うものです。先に挙げた責任は実際に被害者が被る金銭的な損害を、加害者が金銭で賠償するものでしたが、慰謝料は精神的な損害に対する賠償です。
被害者の精神的な損害に対する賠償の金額がいくらになるかは判断が難しいのですが、過去の例などを参考に、死亡した場合、後遺症が残った場合、入院した場合など、大まかな基準が示されています。もちろん全ての事故がその基準に従った慰謝料となるわけではありませんので注意が必要です。
◆物損によるもの
交通事故により自動車が壊れてしまった場合の修理費用などです。物損によるものでも自動車が全損してしまった場合でも、修理で済むものなどでも被害者から加害者に請求できますし、修理中の代車費用等も賠償の責任内容に含まれる場合もあります。
※その他
上記に主要な賠償の内容についてご案内しましたが、これらに当てはまらないような費用なども加害者は負担をしなければならない場合もありますし、また、不当な出費などは支払う必要がなかったりするなど、民事上の責任は多岐に渡り、また複雑ですのでご注意ください。
交通事故の加害者は、被害者に対する責任として、損害賠償として金銭を支払いこととなります。しかし、加害者であれば被害に対するすべての責任を負わなければならない訳ではなく、交通事故の発生や、被害の拡大について、被害者にも責任の一端がある場合、被害者の責任や事情を差し引いた分が加害者の責任となります。
こちらには加害者側の責任について考慮されることをご案内します。
◆過失相殺
これは事故の発生の原因に被害者にも責任がある場合、その被害者の責任を考慮し、加害者の責任を減らすことを言います。例えば、横断歩道のない幹線道路を横切る歩行者を自動車が轢いてしまった事故について、歩行者側にも過失がある場合は、歩行者(被害者)の過失分だけ自動車(加害者)の責任が軽く(賠償額が低く)なります。
◆心因的素因
心因的素因とは、交通事故の被害者の性格が責任に影響するものです。この例は様々ですが、交通事故に遭ってもショックを受けない強い精神をもった人もいれば、小さな事故でも精神的ショックが大きく、その後の治療期間が長くなる場合もあるでしょう。また、精神疾患に罹っている場合もあるでしょう。このような心因的素因も民事上の責任の重さに考慮される場合があります。
◆体質的素因
これは事故に遭う前からすでに何らかの怪我や病気、昔の古傷などがあり、それに加えて交通事故に遭ったため、被害が大きくなった場合です。もし、体質的素因が無ければ事故の被害はそれほど大きくならなかった場合などは、それを考慮し、加害者の責任が小さくなる場合があります。
◆身体的特徴
例えば生まれつき首が長いため、交通事故による怪我の被害が大きくなってしまった場合や、高齢者が被害者である場合、体の衰えによって被害が大きくなる場合があります。これらは大きくは影響しない場合が多いでしょう。しかし、全く考慮されない訳ではありませんので、加害者も被害者も被害者の身体的特徴による賠償額の減額を無視してはいけません。
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