多くの方は自転車を運転するときにあまり交通ルールを意識したことは無かったのではないでしょうか?それは自転車の運転には免許もいりませんし、特に取締りを受け、また罰則も意識したことはありませんでした。
しかし、平成27年6月1日より交通ルールが変わり、自転車も取締りが強化され、またそれによる新たな罰則も取り入れられました。これからは自転車の運転と言えどもルールをしっかりと把握し、取り締まりの結果、罰を受けなければならないという覚悟が必要です。
こちらの記事は自転車による危険運転について、以下のような流れでご案内いたします。
・自転車の交通違反の概要
当事務所は本来は運転免許の意見の聴取に関するサポートをさせて頂く事務所です。そのため自転車による危険行為と罰則等についてはホームページ上でのご案内のみとさせていただき、個別のお問合せにはお答えいたしかねます。ご容赦ください。
以前はそれほど気にすることがなかった自転車での交通ルールですが、法律が変わったことにより、以前より厳しく、また新しく罰則も作られました。それではどのように変わったのでしょう。
<罰則>
自転車の交通違反についてはあまり気にされていませんでしたが、平成27年6月1日の変更以前からも違反者に対する罰則がありました。例えば酒気帯び運転ですが、法律には「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない」とあります。車両等とは自転車も含みますので、自転車での酒気帯び運転はもともと違反ですし、罰則も「5年以下の懲役、または100万円以下の罰金」とされていました。(ただし、自転車の場合は政令酒気帯びは罰則の対象となっておらず、酒酔い運転が罰則の対象となります。)
それでは平成27年6月1日ではどうなったのでしょうか?それそれの違反のついての罰則はそのままに、「危険な自転車の運転は取締りのあとで講習を受けなければならず、講習を受けなければ5万円以下の罰金」というルールが追加されました。これにより、今までは実際には取締りをしても競うることがきずにペナルティを科すことができなかったものが、講習を受けさせることができるようになり、ペナルティを科すことのハードルが下がったといえるでしょう。
<取締り>
上記の違反者には講習を受けさせるという交通ルールの追加により、取締まりも厳しくなることがでしょう。本来の刑罰のみの場合では取締りをしても罰を科すことが難しかった状況から、取締後に講習を受けさせることができるようになり、取締まりをした後にペナルティを科すことが容易になり、そのことにより取り締まりにも身が入ることとなります。
<運転者としては>
取締まりがされればその後の手続きが面倒です。それは自転車での取締りであっても自動車と変わりない手続きがまっています。そのため簡易裁判所に出向いたり、検察官の取調べをうけることにもなるでしょう。また、違反を繰り返せば講習も受けなくてはならないため、今までとは違い、自転車であっても交通ルールを意識して運転しなければなりません。この法律改正を機に、自転車の運転者もより交通ルールを意識しなければならなくなりました。
上記の概要でもご案内しました平成27年6月1日から行われる自転車の運転による違反者に講習を受けさせる制度を「自転車運転者講習制度」といいます。従来の交通ルールにこの自転車運転者講習制度が加わったかたちになります。
なお、取り締まりの自転車運転者講習制度の対象年齢は14歳以上です。
もし違反をしてしまったとき、どのような罰則があるのかが一番知りたい部分です。以下にご案内します。
自転車の違反による個別の罰則は、道路交通法の違反ごとに決められています。1回1回の取締りが罰則の対象となり、取締後に起訴され、有罪となれば罰が科されることとなります。これは前科がつくこととなります。
罰則の内容は以下の14の危険行為を例にすると「2万以下の罰金または科料」から「5年以下懲役または100万円以下の罰金」まで様々です。
この罰則は平成27年6月1日から開始された自転車運転者講習制度によるものでではなく、それ以前より定められていたものですが、ほとんどの場合は違反切符を切られるほどの取締りはされていませんでした。しかし、自転車運転者講習制度の開始により取り締まりが厳しくなると、この罰則が適用される可能性も高まることに注意が必要です。
自転車による危険行為は14種類あり、以下のようなものです。また、それらの危険行為の具体的な罰則をまとめました。
危険行為の種類 | 危険行為の解説 |
①信号無視 (道交法第7条) | 信号や警察官の手信号に従わない違反 |
②通行禁止違反 (道交法第8条第1項) | 通行止めや車両進入禁止の場所を通行してしまう違反 |
③歩道用道路における車両の義務違反(徐行違反) (道交法第9条) | 歩道を通行するときは特に歩行者に注意して通行しなければなりません。 |
④通行区分違反 (道交法第8条第1項、4項、6項) | 道路の決められた部分を走らないことの違反。 自転車は原則車道を通行する、など。 |
⑤路側帯通行時の歩行者の通行妨害 (道交法第17条の2第2項) | 路側帯を通行するときは歩行者の通行を妨げてはいけません。 |
⑥遮断踏切立ち入り (道交法第33条第2項) | 遮断機が閉じようとしているとき、閉じているとき、 警報がなっているときに踏切内に立ち入る違反 |
⑦交差点安全進行義務違反等 (道交法第36条) | 交差点の進行等においての違反 |
⑧交差点優先車妨害等 (道交法第37条) | 交差点を右折するときは直進や左折する車両等が優先です。 右折時の直進、左折者への進行妨害により違反となります。 |
⑨環状交差点安全進行義務違反等 (道交法第37条の2) | 環状交差点での交通方法による違反。 車両は右回り(時計回り)の通行をしなければなりません。 |
⑩指定場所一時不停止等 (道交法第43条) | 一時停止違反。標識や標示に従い一旦停止しましょう。 |
⑪歩道通行時の通行方法違反 (道交法第63条の4第2項) | 自転車が標識やその他の理由で歩道を通行ができる 場合でも、歩道の車道寄りを通行し、歩行者の通行 を妨げてはいけません。 |
⑫制動装置(ブレーキ)不良自転車運転 (道交法第63条の9第1項) | ブレーキ、反射板、尾灯を備えなければなりません。 |
⑬酒酔い運転 (道交法第65条第1項) | 酒酔い運転の禁止。少量の飲酒でも違反となる場合もあります。 |
⑭安全運転義務違反 (道交法第70条) | ハンドルやブレーキをしっかり操作し、 他人に及ぼさない速度と方法で運転しなければなりません。 |
⑮妨害運転 (複数の条文を参照)
| 他の車や歩行者などの通行を妨げる目的で、幅寄せや進路変更などを行う行為。 |
自転車の交通違反の取締りは2種類あります。それは「自転車指導警告カード」での取締り、もうひとつは「違反切符(赤切符)」での取締りです。
自転車指導警告カードは黄色い用紙に違反の内容が記載されたもので、違反者に渡されます。この自転車指導警告カードは違反に対して注意を促すものであり、自転車指導警告カードが交付されたとしても、自転車運転者講習を受けなければならなくなる取締りの対象ではありません。
罰則の対象となる違反に対しては違反切符が交付されます。この違反切符はいわゆる「赤切符」というものです。自転車運転者講習を受けなければならなくなる取締りの対象は、この違反切符(赤切符)による取締りです。
交通違反では軽い違反→青切符、重い違反→赤切符というイメージがあるかと思いますが、自転車の取締りは青切符(交通反則通告制度)の対象外ですので、違反切符が切られる違反は全て赤切符となります。
自転車での違反で違反切符が切られる場合は全て赤切符であるということは、反則金を支払ってお終い、という例外が設けられていないということですので、その違反のすべては刑事上の責任を問われる流れ(送検→起訴→裁判など)によることとなります。
自転車運転者講習制度の講習は以下のようなものです。
<内容>
・交通ルール等に係る理解度チェック
・被害者及び被害者遺族の声
・受講者が犯しやすい違反行為の事例紹介と危険性の疑似体験
・事故時の自転車運転者の責任
・自転車の運転ルール
・危険行為に関する学習
・交通ルールなどに係る理解度チェック など
<時間>
3時間
<手数料>
5700円
当事務所は本来は運転免許の意見の聴取に関するサポートをさせて頂く事務所です。そのため自転車による危険行為と罰則等についてはホームページ上でのご案内のみとさせていただき、個別のお問合せにはお答えいたしかねます。ご容赦ください。
お問合せ・ご相談は、お電話またはフォームにて受け付けております。
意見の聴取・聴聞の主張に向けて、まずはお気軽にご連絡ください。
お気軽にお問合せください
お問い合わせやご相談等は全国対応しております。遠方の方でもお気軽にお問合せください。
<対応地域>全国対応
北海道・青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島・東京・茨城・神奈川・栃木・千葉・群馬・山梨・埼玉・新潟・長野・富山・石川・福井・静岡・岐阜・愛知・三重・滋賀・京都・兵庫・大阪・奈良・和歌山・鳥取・島根・岡山・広島・山口・香川・愛媛・徳島・高知・福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄