「交通違反通告制度」とは、軽微な交通違反をした場合の手続きを簡略化するための制度です。本来は全ての交通違反について刑事手続き(裁判後の刑罰)が進められるところを、一定の交通違反については行政上の手続きのみで完了させることで、事案を簡単で素早く行うことができるようにした制度です。これによりお役所や裁判所など、そして運転者の負担を減らすことを狙ったものです。
当事務所では意見の聴取での主張、処分の軽減等のお手伝いをさせていただいております。詳しくはこちらをご覧ください。
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◆メリット◆
交通反則通告制度は行政、司法、そして運転者にとって、簡易・迅速であることのメリットがあります。軽微な違反であってもすべての違反について通常の刑事手続きを行っていたら大変な手間と時間がかかりますが、交通反則通告制度によりそれぞれの負担が大きく軽減されます。
また、運転者にとって、通常の刑事手続きで有罪となればペナルティとして前科が付きますが、交通反則通告制度が適用された場合のペナルティは反則金というお金での解決となり、前科がつきません。
(交通反則通告制度でなくとも罰金としてお金で解決される場合もありますが、反則金と罰金は法的な性質が異なり、罰金は前科となります。)
◆デメリットとその受け皿◆
簡易・迅速である交通反則通告制度では、もし違反内容を否認したり、反則金に不満があったり、正式な審理をして欲しいという場合、柔軟な対応ができません。これらの運転者の主張は簡易・迅速さの裏で配慮されることはありません。
しかし、もし何らかの主張がある者は、交通反則通告制度の適用の拒否を行うことができます。拒否をすることで通常の刑事手続きに進みます。
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交通反則通告制度において、対象となる違反は「反則」といいます。そして、反則を犯した者を「反則者」と呼びます。以下では交通反則通告制度の対象となる反則行為をご案内します。
◇対象となる反則
対象となる違反は以下の表の通りですが、簡単な区別としては「青切符」が交通反則通告制度の対象となります。
1 | 積載物重量制限超過(普通等10割以上) |
2 | 速度超過(高速35㎞以上40㎞未満) |
3 | 積載物重量制限超過(5割以上10割未満) |
4 | 速度超過(高速30㎞以上35㎞未満)又は積載物重量制限超過(5割未満) |
5 | 放置駐車違反(駐停車禁止場所等(高齢運転者等専用場所等)) |
6 | 速度超過(25㎞以上30㎞未満) |
7 | 放置駐車違反(駐停車禁止場所等(高齢運転者等専用場所等以外)) |
8 | 放置駐車違反(駐車禁止場所等(高齢運転者等専用場所等)) |
9 | 放置駐車違反(駐車禁止場所等(高齢運転者等専用場所等以外)) |
10 | 速度超過(20㎞以上25㎞未満)又は大型自動二輪車等乗車方法違反 |
11 | 駐停車違反(駐停車禁止場所等(高齢運転者等専用場所等)) |
12 | 速度超過(15㎞以上20㎞未満)又はしや断踏切立入り |
13 | 駐停車違反(駐停車禁止場所等(高齢運転者等専用場所等以外)) |
14 | 駐停車違反(駐車禁止場所等(高齢運転者等専用場所等)) |
15 | 駐停車違反(駐車禁止場所等(高齢運転者等専用場所等以外)) |
16 | 速度超過(15㎞未満)、信号無視(赤色等)、通行区分違反、高速自動車国道等車間距離不保持、追越し違反、踏切不停止等、交差点安全進行義務違反、環状交差点安全進行義務違反、横断歩行者等妨害等、整備不良(制動装置等)、安全運転義務違反、携帯電話使用等(交通の危険)、本線車道横断等禁止違反又は高速自動車国道等運転者遵守事項違反 |
17 | 信号無視(点滅)、通行禁止違反、歩行者用道路徐行違反、歩行者側方安全間隔不保持等、急ブレーキ禁止違反、法定横断等禁止違反、路面電車後方不停止、優先道路通行車妨害等、環状交差点通行車妨 害等、徐行場所違反、指定場所一時不停止等、積載物大きさ制限超過、積載方法制限超過、整備不良(尾灯等)、幼児等通行妨害、安全地帯徐行違反又は免許条件違反 |
18 | 通行帯違反、路線バス等優先通行帯違反、道路外出右左折合図車妨害、指定横断等禁止違反、車間距離不保持、進路変更禁止違反、追い付かれた車両の義務違反、乗合自動車発進妨害、割込み等、交差点 右左折等合図車妨害、指定通行区分違反、交差点優先車妨害、緊急車妨害等、交差点等進入禁止違反、無灯火、減光等義務違反、合図不履行、合図制限違反、警音器吹鳴義務違反、乗車積載方法違反、定員外乗 車、牽引違反、泥はね運転、転落等防止措置義務違反、転落積載物等危険防止措置義務違反、安全不確認ドア開放等、停止措置義務違反、騒音運転等、初心運転者等保護義務違反、携帯電話使用等(保持)、公 安委員会遵守事項違反、消音器不備、最低速度違反、本線車道通行車妨害、本線車道緊急車妨害、牽引自動車本線車道通行帯違反、故障車両表示義務違反又は仮免許練習標識表示義務違反 |
19 | 通行許可条件違反、軌道敷内違反、道路外出右左折方法違反、交差点右左折方法違反、環状交差点左折等方法違反、制限外許可条件違反、原付牽引違反、運行記録計不備、初心運転者標識表示義務違反、 聴覚障害者標識表示義務違反又は本線車道出入方法違反 |
20 | 警音器使用制限違反又は免許証不携帯 |
※重被牽引車以外の軽車両を除きます。(重被牽引車のみによる放置駐車違反は対象となります。)
※自転車による違反は対象外です。
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【原則】
交通反則通告制度の対象となる反則行為を犯した人は「反則者」と呼びます。反則者は交通反則通告制度が適用されます。
【例外】
先にご案内した反則行為を犯した人であっても反則者とはならない例外があります。この者は簡易な手続きである交通反則通告制度には乗らず、通常の手続き(刑事手続き)をすることとなります。以下の3つがその例外にあたる人です。
・無免許、無資格運転の人
・酒酔い、麻薬等運転、政令酒気帯び状態での運転者
・反則となる違反をしたことにより、交通事故を起こした人
簡易の手続きである交通反則通告制度に該当するには反則行為をした反則者である以外にもいくつかの条件に当てはまらなければなりません。こちらはそのポイントをご案内します。
◆告知◆
取締りの際に警察官や交通巡視員が反則者に対して行うのが「告知」です。告知は以下の点を反則者に伝えます。
・反則行為となる事実
・反則行為の種別など
・後にに行われる通告を受けるための出頭の期日と場所
告知の際には一緒に「納付書」が渡されます。この納付書で反則金を仮納付することで手続きが完了し、後に行われる予定の「通告」は行われません。
◆通告◆
警察官や交通巡視員が行った告知のあと、反則金の仮納付を行わなければ、警察本部長から「通告」がなされます。この通告は。正式に反則金を支払うように、との連絡になります。この通告がきたあと、反則金を支払うこととなります。
◇反則金の納付と仮納付◇
反則行為を行ったことによるペナルティは反則金を支払うことです。そのため、警察本部長からの通告に従い反則金を支払うこととなります。もし、警察官や交通巡視員が行った告知のあとに速やかに反則金を支払うことを仮納付といいます。仮納付を行うと交通反則通告制度として手続きが完了します。そのため、のちの通告はありません。
交通反則通告制度の手続きの流れです。青い線をたどれば交通反則通告制度が適用できます。また赤い線をたどると交通反則通告制度が適用できません。※1と※2の分岐点は自身の意思で交通反則通告制度の適用の可否を選択することができます。
※1は取締りをした警察官や交通巡視員から書面で告知されます。また、反則金の仮納付のための納付書も交付されます。
※2は後日、警察本部長より通告されます。通告は告知に従い出頭した際にされる場合、郵送によりされる場合、また掲示板への公示によりされる場合があります。
運転免許の処分の前に行われる「意見の聴取」にて自己に有利な意見を述べたり書面を提出することで、本来されるべき処分が軽減される可能性があります。また、意見の聴取の機会を逃すとその後はすぐに処分がされるため、軽減のチャンスはほぼ無くなってしまいます。
当事務所では意見の聴取に提出する書面の作成のお手伝いをいたします。やみくもに作成された書面より、根拠を持って作成された書面の方が軽減の可能性が高くなることでしょう。
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