違反点数の「前歴」とは、「過去に処分を受けた回数」のことです。「前歴１回」とは、過去に免許の停止などの処分を１回受けたことがあるということです。もし、２回の処分を受けていれば「前歴２回」、３回の処分を受けていれば「前歴３回」となります。

　①違反点数

　違反点数は、違反や事故をしてしまうことで、予め決められていた点数が付けられます。信号無視をすれば２点、携帯電話の違反をすれば３点です。

　②点数の累積

　この点数は、違反を何度か重ねて行くことで、どんどん積み重なっていきます。信号無視と携帯電話の違反をすると、点数が累積されて合計５点となります。

　③処分を受けると「０点」に戻る

　この累積された点数は、一定の点数に達すると処分を受けることになります。例えば６点になると「免許の停止３０日間」、１２点がなると「免許の停止９０日間」という処分を受けます。

　そして、点数が溜まって処分を受けると、違反点数は「０点」にリセットされます。そのため、６点で免停処分を受けたあと、また信号無視をしてしまった場合、累積８点ではなく、累積点数は「２点」となります。

違反点数は処分を受けることで「０点」となります。しかし、全くのスタート地点に戻るわけではなく、ここで「前歴」が登場します。

　一度、処分を受けると、処分を受けた履歴と言う意味で「前歴が１回」となります。そのため、点数はリセットされて０点ですが、前歴が付くため、処分を受けた直後は「前歴１回の０点」ということになります。

　もし、前歴１回のあと、再び点数が溜まり処分を受けた場合は、「前歴２回の０点」となります。

　免許停止などの処分を受けることで点数はリセットされます。しかし、点数がリセットされたとしても、前歴があるために、運転をする方にとってはより厳しい状況となります。

　例えば、「前歴０回」であれば、４点では免停処分を受けることはありません。しかし、「前歴1回」であると、同じ違反点数４点でも６０日の免許の停止となってしまいます。

　また、「前歴０回」であれば、免許の取消しとなるには１５点までの猶予がありますが、しかし、「前歴1回」であると、違反点数１０点で免許の取消処分の対象となってしまいます。

　このように、前歴があることでより低い点数にて運転免許の処分を受けることになりますので、処分を受けて点数がリセットされたからと言って油断をしてはいけません。

前歴がある場合に再び運転免許の処分を受けこととなったとき、前歴がない場合と同じように、運転免許の処分を短くして欲しいと主張する場が設けられます。そこで主張することで予定された処分が軽減される可能性が生まれます。

　運転免許の停止である場合は９０日以上の停止に該当する場合と、運転免許の取消しに該当する場合は全ての場合に、「意見の聴取」という場所に参加することができます。「意見の聴取」は、予定された処分に対して、処分を短くして欲しいとお願いをすることはできる場所です。また、もし主張が認められることになれば、実際に予定された処分が短くなることがあります。

　これは前歴がない場合でも、前歴がある場合でも、どちらも変わらず参加して主張をすることができます。

　「意見の聴取」では主張が認められることで予定された処分が短くなることが実際にあります。しかし、処分の軽減はもともと例外的措置ですので、どのような場合でもそれほど簡単に実現できるものではありません。

　その上で、前歴がある場合とは過去に違反を重ねてしまっている状況であるため、より厳しい目で見られてしまう覚悟が必要です。

　しかし、前歴がある場合でも軽減が認められる可能性は十分にあります。特に、軽微な違反のみでも処分の点数に達してしまうという、前歴がある状態の特有の事情などもあるため、状況によってはより軽減がされやすい場合もあります。

　もし軽減を望むのであれば、前歴があったとしても諦めずに「意見の聴取」にて主張をしていただくことをお勧めいたします。

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